戦場のヴァルキュリア レビュー

総プレイ時間は20時間ほど。(リセット時間等含めば+5〜10時間くらい?)
★★★★★★★★
戦場のヴァルキュリアサクラ大戦のスタッフが制作したゲームで、ジャンルはSRPG。サクラ大戦は未プレイだがゲームバランス的には中々で、購入前の印象とは違い、結構硬破な難易度になっている。実際、敵兵の配置や増援の有無などを知らなければ苦戦する場面もそこそこ。
グラフィックはFFのようなリアル路線でもテイルズのようなアニメ路線でもない水彩画風のタッチで個人的にはかなり好きな部類。このクオリティがヌルヌル動くのは次世代機のパワーを感じられる。
ストーリーに関しては特に特筆すべきことも無く、先の展開の予想も容易なベタベタなもの。もう少し力が入っていればよかったな〜という印象。
システム上の特徴はやはり「BLiTZ」と呼ばれる戦闘システムだろう。将棋やチェスのような俯瞰視点とTPSのような三人称視点の両面で構成され、俯瞰視点でキャラを選択し、そのキャラをTPSの視点で実際に動かすといったもの。これが中々おもしろく、俯瞰視点では情報量が少ない(細かい地形や伏兵の有無などが分からない)ため、実際にキャラを動かしながら戦場を探る楽しさがある。路地を進んでいると物陰に敵がいたりね。
個人的に一番残念だったのはキャラの成長システム。ます、経験値はステージクリア時に一括して手に入る仕様になっており、その量はクリアランクによって決定され、倒した敵の量などには左右されない。(リーダーや戦車などを倒せば多少ボーナスが入るが微々たるもの)そして、そのランクはクリアまでのターン数で決まるため、自分のようにじっくりステージを攻略したい人には辛い仕様になっている。実際慣れてくるとアリシアにオーダーをかけまくって特攻というパターンが一番楽ということに気がついて後半はSランクオンリーだった。また、敵を倒しても経験値が入らないため、強いキャラで体力を削り、弱いキャラで止めということをする必要がない。まぁこれに関しては面倒でないということもできるが個人的にはこういう作業は結構好きなので残念。
また、キャラの成長は編成画面で経験値を振り分けるのだが、これが兵種ごとの振り分けになっており、偵察兵のレベルが上がれば偵察兵のキャラ全員のレベルが上がる。このため、兵種以外の個性がほとんど無く誰を使っても同じになってしまうのはSRPGとして致命的だと思う。(ポテンシャルというキャラごとの個性付けはされれいるのだが、如何せん効果が薄い)
総評としては斬新なシステムやグラフィックは評価できるし、内容も硬派なSRPGではあるのだが、次回作では育成システムの改善を望みたいと言ったところだろうか。とはいえベスト価格でプレイできるのなら決して損になることはないだろう。